味くらべ - Dr.K
2018/01/15 (Mon) 19:03:58
地酒を購入しに行った酒屋で、一時ブームとなった「獺祭」を見かけた。20年以上前から地酒を飲んできた私にとって、「獺祭」は興味の対象外。
TV番組のカンブリア宮殿でみた「獺祭」は、磨きを極限まで上げた大吟醸酒としか見えず、何を今さらといった感じだったからだ。
磨きで言うならば、昔、YK-35という標記で世に出た「龍力 米のささやきYK-35」は、私の中での先駆け。兵庫県の特A地区山田錦を35%まで磨いた大吟醸酒で、呑口もしっかりしていて旨い。
また、千葉県で言えば「東薫 叶」も吟醸香が華やかで呑口のよい、同じクラスの純米大吟醸酒だ。これらの有名どころを上げればきりがない。
今回、目にした「獺祭」は、磨き2割3分、3割9分、5割の3種。いずれも大吟醸酒となる。米のささやきや叶と比較するなら、もちろん2割3分だろう。
しかし、今回、3割9分を手に取ってみた。今は無き「手取川 無濾過(純米大吟醸生(磨き45%)」や「鳴海 青ラベル(特別純米 無濾過生 磨き60%)」と呑口を比べてみたかったのだ。この手取川と3割9分はほぼ同価格。
鳴海青ラベルは、五百万石の特別純米酒ということもあり、山田錦の吟醸造りとはカテゴリーが異なることは承知のうえだ。価格も鳴海の方が全然安い。
さて、「獺祭」3割9分は、ほのかな吟醸香で呑口スッキリ。美味いといえば美味いが、何かインパクトが足りない。そう、上品なのだ。
鳴海のような辛口や旨口が好みになった私は、綺麗でかわいいけど皆同じようなルックスの女の子たちと、何か重ねてしまう。
美味い酒であることに間違いはない。しかし、歳を重ねると、酒も人も程よい個性に魅かれてしまうのかもしれない。ただ、私が変わり者なのかも…。